越境フィールドワークを開催

【越境フィールドワーク開催レポート】都市と地域が交わる3日間──燕三条の現場から見えた学びと未来

2023年9月、私たちは越境フィールドワークの第一歩を踏み出しました。舞台は、新潟県燕市にあるミノル製作所。現在もご一緒している企業ですが、今回は「都市部の人材と地域企業とのリアルな接点をつくる」ことを目的に、3日間にわたる越境体験のプログラムを実施しました。

Day1:歴史と文化にふれる

初日は、燕三条という地域の成り立ちや文化的背景、そして越境先であるミノル製作所の技術力や新たなビジネスへの挑戦について学ぶ座学からスタート。また燕三条地域では、産業がどのように根付き、職人文化がどのように継承されてきたのか。そうした「文化を知ること」が、この越境学習の第一歩です。

Day2:現場で“語り”と“手触り”を体感

2日目は、ミノル製作所の現場を実際に訪問。工場内に響く金属の音、手作業の緻密さ、そして何より、社長自らが語ってくださった地域への想いと職人の未来ビジョンに、参加者全員が引き込まれていきました。

特に印象的だったのは、参加者が日々の業務で抱えていた課題に対し、社長が異なる視点から投げかけた一言。その鋭さと温かさが、参加者にとっては「気づきの種」となったようです。

工場という“非日常”の空間に身を置くことで、都会のオフィスでは得られない刺激や気づきを得て、何人もの方が「ワクワクした」と話してくださいました。

Day3:ふりかえりと内省

最終日は、参加者同士での対話を通じて、自分自身の体験をふりかえる時間に。ものづくりの現場を知るだけでなく、「地域が持つ歴史や産業の背景」「自分の視点の狭さ」「本当に大切にしたい価値観」など、多くの問いが浮かび上がりました。

ある参加者から、「ものづくりの現場を知るだけでなく、地域の歴史や課題、産業の背景など、いろんな視点を与えていただき深い学びに繋がりました」というコメントをいただきました。まさにこのフィールドワークの本質です。越境とは、ただ場所を変えることではなく、視点を変えること。新しい環境に身を置くことで、自分自身の価値観や仕事への姿勢が見えてくる。そんな時間になっていたのなら、これ以上に嬉しいことはありません。